よく「ゴロゴロ」鳴く猫ちゃんは遺伝子の型が原因だった?2025.6.25
前回は三毛猫の三色の毛色と遺伝子の関係についてとりあげました。今回は猫の喉がゴロゴロ鳴る頻度と遺伝子の関係についてです。
猫の鳴き声は数十種類あるそうで、代表的なものといえば「ニャー」「ゴロゴロ」「シャー」などでしょうか。
このうち「ゴロゴロ」は、満足したりリラックスしているときの鳴き声といわれます。
最近、京都大学野生動物研究センターなどの研究グループは、猫が「ゴロゴロ」と鳴く頻度が遺伝子の型によって変わることを突き止めました。
「アンドロゲン」というホルモン受容体の遺伝子において、特定の塩基配列が少ない(短い)ほど「ゴロゴロ」とよく鳴くというのです。
どうやって調べたかというと、全国から実験に協力してくれる飼い主さんを募集。そして、参加した280匹の猫を対象に、飼い主さんへのアンケートによって⾏動特性を評価するとともに、DNAを採取してアンドロゲン受容体遺伝⼦を解析しました。
その結果、短いタイプの遺伝⼦を持った猫は、⻑いタイプの遺伝⼦を持った猫より、「ゴロゴロいう」傾向が⾼いことが分かったのです。
特にオスでは、コミュニケーションや要求に関連する「特定の鳴き声 / 発声」のスコアも⾼いことが分かりました。このことから、この遺伝⼦が⾳声コミュニケーションと関わっている可能性が⽰唆されました。⼀⽅メスでは、短いタイプの猫の⽅が「⾒知らぬ⼈への攻撃」のスコアが⾼いことも分かりました。
図表 「ゴロゴロいう」スコアとアンドロゲン受容体遺伝⼦のタイプ
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-05-29-0
ゴロゴロ鳴きは猫同⼠のコミュニケーションにおいて親和の表現や、⼦猫が⺟猫の注意を引いて世話を促す⼿段として⽤いられるなど、⽣存に重要な役割を果たしていることが知られています。
また、これまでの研究から、ネコの中でも特に純⾎種のネコは、雑種に⽐べて⻑いタイプの遺伝⼦を持つ割合が⾼いと報告されているそうです。
一方、今回の研究に参加した多くは、元野良で野外⽣活をしていた後に保護された雑種の猫たちでした。
こうしたことから、生まれた時から手厚く保護されて育つ純⾎種に比べ、元野良で雑種の猫たちにとっては⽣存のための⾳声コミュニケーションの重要性はより高く、そうしたことが遺伝⼦の頻度の違いにつながっている可能性があるようです。
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