世界のペット事情 トルコ2025.5.7
ペットを愛する人は日本だけでなく世界中にいます。このシリーズでは各国におけるペット事情を取り上げています。今回はトルコです。
トルコは、ちょうどアジアとヨーロッパをつなぐ位置にある中東の大国で、北は黒海、南は地中海に面します。
面積は約78万平方キロメートルで日本の2倍ほど、人口は8570万人で日本の3分の2くらいです。最大の都市はイスタンブール(かつてのコンスタンティノープル)、首都は第二の都市アンカラです。
この地で14世紀末に誕生したオスマン帝国は、東ヨーロッパのバルカン半島からメソポタミア、北アフリカ、アラビア半島まで支配していたことがあります。
しかし、1922年にオスマン帝国は滅亡。翌1923年に現在のトルコ共和国が成立しました。
https://yonlee.hatenablog.com/entry/2014/05/11/232951
そんなトルコのペット事情はどうなっているのでしょうか。
数字から見ると、トルコは「猫派」の国です。2023年時点で猫が466万頭いるのに対し、犬は138万頭あまりと3分の1以下にとどまります。
https://europeanpetfood.org/wp-content/uploads/2023/07/FEDIAF_Annual-Report_2023.pdf
このようにトルコではペットの猫が犬の3倍以上もいるのにはいくつか理由があります。
第一は宗教的なものです。トルコ国民の9割はイスラム教徒で、イスラム教はもともと猫に対してとても好意的なのです。
例えば、イスラム教の創始者(予言者)であるムハンマドは、ムエザ(Muezza)という名の雌猫を飼っていました。ある日、ムハンマドが礼拝に出かけようとしたとき、ムエザが礼服の袖の上でぐっすり寝ていたので、その部分を切り落として自分は片袖のない服を着て出かけたといいます。
また、ムハンマドは「猫への愛は信仰の一側面である」と語ったとする記録が残されていたり、ムハンマドの側近の一人はアブー・フライラ(子猫の父)と呼ばれていたそうです。
猫に優しいトルコでは、街中にも数多くの野良猫(地域猫)が暮らしています。カフェやレストランで膝の上に乗ってきたり、通りや公園でのんびり寝ていたりするのです。
中には、鉄道の駅で自動改札機の上に座っている地域猫や、エスカレーターを逆走する地域猫もおり、その自由奔放さには驚かされます(下記はいずれも動画)。
https://worldclub.jp/turkish/turkey-cat/
猫のほうが多いとはいえ、トルコでは犬も同じように大切に扱われています。実際、街中にはのんびり寝そべる野良犬(地域犬)が少なくありません。しかも、トルコの地域犬は大型犬が多いとか。
そもそもイスラム教では、動物に慈悲深く接することを昔から教えているということがあるようです。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2210/30/news010.html
トルコでは2004年に動物愛護法が制定され、路上動物の保護が地方自治体に対して義務付けられました。各自治体では地域猫・地域犬の不妊去勢やワクチン接種を進めたり、専用の食料・水飲み場を設置したりしています。
街中には、犬猫用フードの自動販売機も置かれていて、1リラ(日本円で約4円)を入れると、一握りほどのペットフードが出てくるそうです。
猫にも犬にも優しい国。それがトルコです。
https://togetter.com/kiji/2022/11/01/110883
ペットの遺骨・遺灰・毛からダイヤモンドを造るなら
プレシャスワンにおまかせください。