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ペットのクローンが当たり前になる日 (3) ペットの商業クローンサービス in 韓国

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これまで飼っていたワンちゃん、ネコちゃんと遺伝的に同じペットを再び迎えることが可能な時代になってきました。すでに中国、韓国、米国などではそうしたサービスを提供する企業が登場しています。

ペットのクローンが当たり前になる日は来るのか。今回からはペットの商業クローンサービスが行われている国の情況をのぞいてみます。まず韓国からです。

 

韓国では現在、ソウルにある「スアム生命工学研究所」(Sooam Biotech Research Foudation)という企業がペットの商業クローンサービスを提供しています。

スアム生命工学研究所のホームページ

http://en.sooam.com/index.html

 

この企業は2006年、元ソウル大学校獣医科大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)氏が設立しました。同社では同年からクローン技術による犬を製作し、2008年には本格的にビジネス化。費用の目安は110万ドル(約1100万円)とのことです。

設立から2018年までに1000頭以上のクローン犬を生み出してきたとされ、現在では2000頭を超えるのではないかと思われます。

ペットが亡くなってから通常5日以内にDNAを同社に提供すれば、5カ月以内にクローンをつくれるそうです。

 

同社を巡って注目されるのは、設立者である黄(ファン)氏の経歴です。

農家に生まれ、幼い頃に父親と死別。母子家庭で毎日、牛の世話をしながら育ち、将来は牛の世界的な研究家になるという夢を持ちました。親戚の援助や奨学金によって国立ソウル大学校の獣医科大学へと進み、研究者になってからは14時間しか寝ずに働いたという立志伝中の人物です。1984年から1985年まで北海道大学獣医学部に客員研究員として留学したこともあります。

その後、ソウル大学校獣医科大学教授やソウル大学校動物病院院長を経て2005年同獣医科大学学長になりました。そして、同じ2005年に世界で初めてクローン犬「スナッピー」を誕生させたのです。

ところが話はここから急展開します。その前の2004年と05年、黄氏が米国の科学雑誌「サイエンス」に発表したヒトの胚性幹細胞(ES細胞)に関する論文が不正と認定され、職を追われることになったのです。2014年には研究費の流用や生命倫理法違反の罪にも問われ、懲役16カ月、執行猶予2年の刑が確定しています。

ただし、クローン犬「スナッピー」については間違いなく成功したことが確認されています。

 

アカデミズムの世界で生きる道が閉ざされた黄氏はそこで2006年にスアム生命工学研究所を設立したというわけなのです。

ただ、当初は犬のクローン製作といっても研究目的だったようです。ところが2007年、アメリカの大富豪から犬のクローンをつくってほしいという打診を受け、そこからクローン犬の作成をビジネスとして展開するようになったといいます。

 

ちなみに、ソウル大学校獣医科大学では黄氏が追放された後、その教え子で世界初のクローン犬「スナッピー」誕生に関わった李柄千(イ・ビョンチョン)氏が研究室を引き継ぎました。そして、「スナッピー」のクローニング手法の特許権の保有を主張し、民間のペットクローン会社であるRNLバイオに専用実施権を与える契約を結びました。RNLバイオは20088月から商用クローンサービスを開始し、韓国では一時、2つの会社が犬のクローンを手掛けていたのです。

しかし、RNLバイオはその後、経営不振に陥り、現在では韓国でペットの商業クローンサービスを提供するのはスアム生命工学研究所のみになっています。

 

現在、黄氏はペットのクローン作製では世界の第一人者と目され、UAEの首都アブダビにあるバイオテクノロジー研究センターで王族のペットであるラクダのクローンなども手掛けているといわれます。

まさに毀誉褒貶渦巻く人生であり、2023年にはNetflixが黄禹錫のドキュメンタリー『キング・オブ・クローン』を公開しています。

https://www.netflix.com/jp/title/81516199

 

 

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