ペットの看護職が国家資格に（２）「愛玩動物看護士法」のポイント2022.6.29

可愛いペットたちが怪我をしたり病気になったりしたとき、心強い味方になるのが動物病院です。そこでは獣医師の先生や動物看護師のみなさんが活躍しています。

動物看護師は現在、民間統一団体による認定資格ですが、来年（2023年）には「愛玩動物看護師」という国家資格に切り替わる予定です。新しい国家資格である「愛玩動物看護師」とはどのようなものなのでしょうか。

2019年6月に国会で成立し、2022年5月から施行されたのが「愛玩動物看護師法」です。

この法律は「愛玩動物看護師」の根拠となり、関連する様々な規定が含まれます。

まず、愛玩動物看護師の業務は「診療の補助、愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護、愛玩動物を飼養する者その他の者に対する愛護及び適正な飼養に係る助言等を業務」と規定されており、整理すると主に次の３つのことを行います。

・診療の補助

・愛玩動物の世話、看護

・飼養者に対する愛護や適正飼育の助言等

このうち、「診療の補助」は、獣医師を除いては愛玩動物看護師の資格を有する者のみが行うことができる独占業務となっています。

そして、「診療の補助」とは具体的には「診療の一環として行われる衛生上の危害を生じるおそれが少ないと認められる行為であって、獣医師の指示の下に行われるもの」と規定されています。具体的には、次のようなものです。

・採血

・投薬

・輸液剤の投与

・マイクロチップの装着

・カテーテルによる採尿　など

また、予め獣医師による診療計画が立てられている場合や心肺蘇生処置が必要な場合等については、獣医師の個別具体的指示を求めないとされています。

図表　愛玩動物看護師の業務範囲の考え方（イメージ）

この法律の名称にもなっている「愛玩動物」にあたるのは、「犬、猫、その他政令で定める動物」とされており、「その他政令で定める動物」とは次のような愛玩鳥とされています。

オウム科全種：セキセイインコ、オカメインコ、ボタンインコ、ヨウム等

カエデチョウ科全種：ブンチョウ、ジュウシマツ等

アトリ科全種：カナリア等

「ウサギ」や「亀」は「愛玩動物」に含まれていませんが、愛玩動物看護師は診療の補助を除くその業務（看護、愛護・適正飼養支援等）を実施することは可能です。

なお、愛玩動物看護師になるには国家試験に合格した上で、愛玩動物看護師名簿に登録し、免許を取得しなければなりません。

愛玩動物看護師の登録には、登録免許税（9,000円）と指定登録機関へ登録事務手数料（5,800円）が必要です。

愛玩動物看護師の免許は、更新は不要です。

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ペットの看護職が国家資格に（２） 「愛玩動物看護士法」のポイント2022.6.29