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猫と文学(8)『キャッツ』に登場する猫たちの名前

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人間と猫は数千年前からの長い付き合いです。そのため、文学や絵画、音楽など猫をテーマとした様々な作品が生み出されてきました。

猫をテーマにした文学作品を取り上げるシリーズ。

前々回はミュージカル『キャッツ』、前回はその原作とされるTS・エリオットの『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う方法』を取り上げましたが、今回はそれらに登場する猫たちの名前について深堀りしてみます。

 

ミュージカル『キャッツ』は、TS・エリオットの作詞、アンドルー・ロイド・ウェバーの作曲による世界的なヒット作です。

「作詞」したとされるTS・エリオットは20世紀前半に活躍し、ノーベル文学賞を受賞したイギリスの詩人で劇作家、批評家です。彼が51歳のとき(1939年)に発表した『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う方法』という子供向けの詩集が、ミュージカルのもとになりました。

 

そのため、ミュージカルに登場する猫たちの名前もエリオットの詩集に由来します。エリオットは20世紀の文学界の巨人であり、猫たちに付けられた名前にも様々な仕掛けが伺えます。

 

まず、登場する猫たちは「ジェリクルキャッツ(Jellicle Cats)」と名付けられています。この名前の由来には諸説あり、ひとつはジュエリー(Jewelry)とミラクル(Miracle)を合わせたとするものです。人気ミュージカルにふさわしい解釈かもしれません。

もうひとつは原作の訳者である池田雅之氏(早稲田大学教授)の説で、ゼリー(Jelly)に接尾語-cleを加えたとするものです。こちらは、もともと子ども向けの詩集であるという点に似あうように思われます。

 

猫たちの名前は、もっと込み入った趣向が凝らされています。

例えば、長生きの長老猫デュトロノミー (Old Deuteronomy)です。彼は9人とも99人ともいう多くの妻の死を看取ったとされます。その名は、旧約聖書申命記Book of Deuteronomy)からとったものです。

申命記(しんめいき‎)は、預言者モーセが書き記したとされる五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)の5番目にあたり、死を前にしたモーセがモアブの荒れ野で民に対して行った3つの説話をまとめたものであるとされています。

 

魔術を扱う黒猫のミストフェリーズ (Mr.Mistoffelees)の名は、ドイツの文豪ゲーテの代表作『ファウスト』に登場する悪魔メフィストフェレス (Mephistopheles)をもじっているといわれます。

 

犯罪王のマキャヴィティ (Macavity)は、ルネサンス期のイタリア政治思想家で『君主論』を著したニッコロ・マキャヴェッリNiccolò Machiavelli)にちなんだものです。

 

娼婦猫のグリザベラ(Grizabella)については、名前の由来ははっきりしないものの、「灰色の」という意味の形容詞であるgrizzleと、スペイン語圏の女性の名前であるIsabel(イザベル)を組み合わせたものではないかという説があります。

なお、グリザベラはキリスト教でよく知られているマグダラのマリアを思い起こさせますが、新約聖書には娼婦であるといった記述はなく単に「罪の女」「罪深い女」とされているそうです。

 

ちなみに、エリオットは『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う方法』の最初の詩編で「猫に名前をつけるのは全くもって難しい。休日の片手間仕事じゃ、手に負えない」と書いています。なぜなら、猫には三つの名前が必要だからだというのです。

ひとつめは、家族が毎日使う普通の名前。ふたつめは、猫が誇りを保つために必要な特別な呼び名。みっつめは、猫自身がいつも思案している人間には思いもつかない名前、だそうです。

 

だからあんなにユニークな『キャッツ』の猫たちが生れたのでしょう。

 

 

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